2016年11月。「2017年6月に何があってもNYに行きたい」と思える情報が入ってきました。
ロシアのマリンスキー劇場のプリンシパルであり、ABTのプリンシパルとしても踊ってきたディアナ・ヴィシニョーワがABTを引退。
引退公演の演目は「オネーギン」。オネーギン役はマルセロ・ゴメス。
大好きなヴィシニョーワ、大好きなゴメス。大好きなオネーギン♥️
素晴らしすぎる演目とキャスト。これを見ずにはいられない。
私の(別アカ)Twitterでも、2011年に
ヴィシニョーワとゴメスのオネーギン見たいっ
と呟いていました。5年前に描いた夢。
この日しかない、絶対外せないこの日に、ファーストクラスでニューヨーク。
時差をも感じさせない最高のコンディションで、夢を叶えることができました。
Contents
1日目 ヴィシニョーワ/ゴメスのオネーギン
待ちに待ったチケット一般発売初日(3/26)。
飛行機のキャンセル待ちもまだ落ちてきていないけど、バレエのチケットだけは先に買うぞ‼️とPC操作を進める。もちろん、キャンセル不可のチケットだ。
座席指定画面。なんと、発売開始日にも関わらず、すでに1階Orchestra(平土間)はお得意さんの先行予約で埋まっており、 後ろの席しか空いていない(;゚ロ゚)
サイド寄りなら前から2列目あたりとれるだろうと思っていたのに、完全に敗北💦
大好きなヴィシニョーワの最後の公演。どうしても前方「かぶりつき席」で観たい。しっかりと目に焼き付けたい。
しばらく時間を置いて、執念で何度も座席チェックしていると、さっきまでSOLD OUTだった2階Partirre席を1席発見!!
Partirreっていわゆるセレブ席✨(のはず)でセンターだと250ドル程度する。見つけた席は、サイド最前列の一番舞台寄りで120ドル。見切れも発生しそう。さて、120ドルの価値はあるのでしょうか?
Parterre(パルティエ/パルテール)のサイドBox席
今回の席は、パルティエの中の最も舞台寄り、いわゆるオペラ座の怪人席(怪人のBox席は、NYのメトロポリタン歌劇場ではなくパリのオペラ座ガルニエです、、)の逆サイドです。
臨場感たっぷりの「かぶりつき席」。だけど、平土間のオーケストラ席の更に外側の壁沿いに席がある。舞台を横から見る形になるので、好き嫌いがある座席かと思います。
6番BOXの奥に4番BOX。その右側が、私の座る2番BOX。
BOX席というだけあって、6〜8名の小さな部屋で区切られてます。開演前でも、幕間のトイレ休憩でも、BOX席に入るためには、いちいち鍵をあけてもらう必要があります。
平土間のオーケストラ席とは違って、この扉があるだけで、なんだかラグジュアリーな気分♫
扉の奥には小部屋があり、その奥がBox席。
やったー、近い!!
けど、右の柱が気になる。幸い、椅子は固定されていないので、じんわりじんわり、わからない程度に、できるだけ前に、できるだけ左(後ろ寄り)に寄ることにした。左隣の方、ゴメンなさい。
横を見るとこんな感じ。(終演後の写真)
大事な大事な公演だからこそ、オペラグラスを通してじゃなく、自分の目でしっかり見たい。
実際の舞台は、表情だけでなく、息遣いも、舞台袖に入った直後の緊張感からの解放まで、しっかり見えました。
この素晴らしい公演に言葉は必要ないでしょう
⬆︎クレアさんの名言をお借りしました。
写真を並べたいところですが、残念ながら舞台中は撮影できません。
舞台の感想は、プロのレポートをご紹介。
最後のパ・ド・ドゥ、素晴らしかったの一言につきます。
自分(タチアナ)のことを冷淡に扱った初恋の人オネーギンとの再会。オネーギンの過去に対する自責の念、タチアナへの熱い思い。タチアナの揺れ動く心、葛藤。
ドラマティックな2人の踊りに会場全体が飲み込まれていた。
私、この6分半、瞬きしていない。息もしていなかったかもしれない。
踊りが終わり、幕が下りた後、数秒間の空白の時間があった。誰も動けなった。声も出せず、拍手もできなかった。その後、割れんばかりの拍手とブラボーの大歓声。
その後のカーテンコールは、ヴィシニョーワへの愛がいっぱいで感動的でした。
たくさんのエトワールと、先生方、マッケンジー芸術監督からの花束
VIC TORIYAさんの動画 引退公演のカーテンコール
Curtain Call in Diana Vishneva’s farewell in ABT in Eugene Onegin with Marcelo Gomes 6.23.17
本当に本当に、はるばる日本から、見に来てよかった。
Thank you, Vishnova.
プライスレスな体験ができました。
2日目 セオ/ホールバーグのオネーギン
1泊3日の予定が、2泊4日のお許しが出たので、翌日のホールバーグのオネーギンを見に行くことにしました。
白馬に乗った王子のようなホールバーグ。怪我で2年間ほどバレエをお休みしていて、今年になってようやく復帰。ホールバーグオネーギン、楽しみです。
Orchestra Balance(オーケストラ)の一番端席
今回は前から2番目の一番端っこで70ドル。4階席ですら80ドル程度することを考えると、かなりのコストパフォーマンスです。
もう少しセンター寄りの8列目あたりの席と迷いましたが、前方10列目まではフラットな作りで前の人の頭が邪魔になってしまうので、サイドでも1〜2列目を選びました。
見え方はこんな感じ。昨日より近く感じます。
見上げると、昨日座っていたBOX席。
さて、この席。結果としては、少し斜めから見るので、1列目の頭と頭の間に視線が抜け、とても見やすかったです。途中から前の人がいなくなったので、さらに最高なポジションでした。70ドル以上の価値を感じました。
が、衝撃的な事実が。。。。
昨日の引退公演、舞台右奥でのヴィシニョーワの演技が見えていなかった、ということに気がつきました。なんだか一部メッセージ性のない部分があり、変だと思ったのよね。
ゴメスとは対照的なホールバーグオネーギン
舞台の感想は、プロのレポートをご紹介。
一言で言うと、Theオネーギンという感じでした。
オネーギンって、田舎娘のタチアナを、はなっから相手にしない、とってもクールでドライな役なんです。ホールバーグのオネーギンはまさしくそれ。
一方、昨日のゴメスは、、、
ヴィシニョーワの引退公演だからだったのかもしれないけど、始終、愛を感じました。
愛はあるんだけど、ちょっと重くてめんどくさくなって、嫌な思いをさせてしまった、みたいな。だからこそ、レンスキーを殺してしまった後、しばらく身を隠していたが、タチアナに会った瞬間に、胸にしまっておいた思いが爆発した。
私の解釈は一般的でないかもしれませんが、そんな風に感じました。
クランコ振付 バレエのオネーギン
さて、バレエのオネーギン。プーシキンの韻文小説「エフゲニー・オネーギン」に基づくもので、オペラの「エフゲニー・オネーギン」の曲を一切使わず、チャイコフスキーの曲を使用しているのが特徴で、ドラマティック・バレエの最高峰だと思います。
チャイコフスキーの『四季』や『フランチェスカ・ダ・リミニ』の曲を使っているのですが、これがまた良い。音楽と踊りだけで、こんなにも感情表現できちゃうんだ、と振付家クランコの素晴らしさを感じました。
私はこれを2枚持っています。
旅行前の2週間、仕事の行き帰りにずっと聞いていました。
レンスキーとオルガの踊り。チャイコフスキー『四季』の舟歌(6月)が使われていてとても印象的でした。小学生の頃は、これをピアノで弾いて、なんて変な曲だと思っていたのですが、、、
楽曲についてとても勉強になるブログ記事がありましたので紹介します。